第37章 話題
「みわっちこそ……彼女らの恨み買わないように気をつけてね……」
みわっちらしいというか、つい行き過ぎたファンには注意をしてしまう。
今は目立った問題は起きてないけど、女性は突然豹変するので油断ならない。
校内での嫌がらせは落ち着いている。
『黄瀬涼太に深入りすると消される』
という噂がまことしやかに囁かれていたからだ。
……まあ、それには、色々事情があるんスけどね。
「……黄瀬くん、少し最近頑張り過ぎだよ。足、壊しちゃう。明日はランニング減らして」
「……時間が……足りないんスよ」
オレは、焦っている。
もう、二度と負けられない。
こんな些細な事で頭を悩ませてる余裕なんてないのに。
マッサージをされていると、気持ちが良くなってうとうとと眠ってしまいそうになる。
寝ないように、考え事をしてみる。
バスケ……今日のコンビネーション、上手くいったな。
小堀センパイがあそこを確保してくれてたらもっと他のプレイにも……。
……はっ、落ちてた。
だめだ。みわっちのテクには敵わないっス……。
「ふふ、黄瀬くん、寝ちゃっていいよ?」
「うーん、いや……まだ……寝ないっスよ……」
……考えなきゃいけないこと……。
……そういけば、コンドームの残りが少なくなってたっスね……。
……あー、みわっちのみそ汁飲みたいな……。
……もう、あした、かんがえよう。