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【黒バス:R18】解れゆくこころ

第6章 日常の変化


翌日、オレは無事に回復していた。
夜あんなだったから、絶望的だと思ってたのに。

熱は下がったし、後は少しだけ咳が残っている状態だった。

みわっちが、ずっと看病してくれたおかげだと思う。
間違いなく。

さすがに朝練はまだ行けなかったけど、これなら放課後の練習には問題なく出れそうだ。

みわっちと登校の準備をしてたら、姉ちゃんがひょっこりと顔を出した。

「涼太、あたし近くまで行く用あるけど、2人とも学校まで車乗せていってあげようか?」

「マジで? 助かる! ラッキ〜」

「あ、ありがとうございます!」

朝ごはんを食べて、みわっちが家族にバカ丁寧に挨拶をするのを見届けて、2人で姉ちゃんの車の後部座席に乗り込んだ。

「恐れ入ります……! よろしくお願いいたします!」

「はいは〜い、そんなに恐縮しなくていいよ〜」

出発して3人で他愛ない話をしながら談笑していると、しばらくして、隣のみわっちがこくんこくんと頭を揺らしている。
どうやろ眠気との戦いに巻き込まれているようだ。

「みわちゃん、寝てていいよ? まだ着くまでは時間かかるから」

はっと身体を起こし、慌てて返事するみわっち。

「はっ、いえ、し、失礼しました!」

「気にしなくていいのにい」

「いえ、送っていただいているのに……そんな失礼なこと……」

しばらくまた睡魔と戦っていたが、遂に負けてしまったようだ。
オレに、ぽすんと寄りかかってきた。

「みわっち、寝ちゃった。昨日ずっと看病してくれてたから、全然寝れてないのかも」

「えーやだ可愛い! 大事にしなさいよ〜?」

「うん」

大事に、する。
みわっちから「付き合う」って返事、まだもらえてないけど……

昨日、彼女がオレにしてくれたように、頭を撫でた。

「ふ〜ん、アンタがそんな優しいカオして……珍しくベタ惚れって感じ。
涼太が女の子連れてくるの初めてだけど、アンタ、なかなか見る目あるじゃない」

「でしょ? みわっち、いい子でしょ?」

「いい子過ぎて、ちょっと心配。……本当に、守ってあげなさいよ」

「……うん」

大事な子を、守る……か。
初めてだ、そんなの。

でも、素直に思う。
守ってあげたいって。



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