• テキストサイズ

【黒バス:R18】解れゆくこころ

第34章 対峙


冷たいお茶を入れたグラスをふたつ、みわっちの前に置く。

会話はない。

置くや否や、グラスの外側に水滴が出来る前にふたりして飲み干してしまう。

空のグラスをそれぞれテーブルに置いた時、ふたつのグラスが、かちゃん、と音を立ててぶつかった。

その音を合図に、黙ったままふたりは抱き合った。

震えていたのは、オレか、彼女か。

キスをするでもなく、会話をするでもなく、ただただ、抱きしめた。

柔らかい髪を掴み、細い腰を抱き、香りを味わった。

身体に伝わる相手の体温を、ひたすら感じたかった。



「……みわっち」
『お風呂が、沸きました♪』

……軽快な給湯器からの音声と完全に被った。
ふたりで吹き出す。

「……お風呂、入ろうか」

みわっちがいつものように優しく微笑んでそう言った。



/ 2455ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp