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【黒バス:R18】解れゆくこころ

第33章 天国と地獄


行為の後は、すぐにすごく眠くなってしまう……。

黄瀬くんが頬や髪を撫でてくれていて、それがとっても気持ちいい。

「みわっち、眠い?」

身体は既に動かない。
けど、眠ってしまうのがもったいなくて。

「……ねむくない……」

黄瀬くんはくすくすと笑い、唇に軽くキスをした。

「半分以上目が閉じてるっスよ」

「……へいきだもん……」

ああ、これ以上気持ちよくしないで。
寝ちゃう。

黄瀬くんは投げ出されている私の右手を掴み、指を1本1本、愛おしそうに唇でなぞる。

その動きがとても美しく官能的で、まるで映画のワンシーンのようだった。

「……あしたのおしごと……なに……するの……?」

気になっている事だった。
私が気持ちよくなるのを見たい、というのはあまりにも不自然で。

最初は挿入しなくていいから、とまで言っていたのだ。

一瞬、黄瀬くんの唇の動きが止まった。
ほんの一瞬だった。

「……なんか、女性誌のほんの1コーナーに載るみたいっスよ? よく分かってないんスけどね……」

そう言って力なく、微笑んだ。

「……かえり、おそくなりそう……?」

横に並んでいた黄瀬くんが上半身を重ねてくる。

「……もしかしたらちょっと遅くなるかも。もう、先に寝ちゃってていいっスから。待ってなくていいよ」

「……そっか……」

黄瀬くんの重みが、好き。
すごく安心するんだ。

手に指を絡められて、頭を支えられて包み込まれるようなキスをされたら、もうそこで記憶が途切れてしまった。





……朝。
目を覚ますと隣に黄瀬くんはいない。
ロードワークの時間だ。

実は、黄瀬くんがいない時間に毎日必ず目が覚めてしまう。

意識しているつもりはないのに、隣の温もりがない事に敏感に反応してしまっているんだろうか。

……まだ、3回ほどしか身体を重ねてはいないけれど、結ばれる前の分も含めると黄瀬くんに触れられる機会が増えてきたと思う。

……なんとなく、触れ方で黄瀬くんの心情が分かるようになってきた。

超能力的なものじゃなくて、ふとした時の愛撫とか、キスとか…。

なんとなく、感じるだけだけど。

前回の黄瀬くんは、ひどく怯えているようなそんな感じだった。

昨日の黄瀬くんは、緊張していた。
何かに向かって構えていた。

なんとなく、だけど。


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