第33章 天国と地獄
何回、いった?
もう分からない。
頭がボーッとして、何かを考えようと集まってきたパズルのピースはすぐに霧散してしまう。
もう、いかなくても充分気持ちいいと涼太に訴えたけど、涼太は終始、
「これは、前回の分も入ってるっスから」
と言っていた。
前回は、確かに今回みたいに何回もいったり、ということはなかったけど、こころとこころの触れ合いが出来たと思ってる。
気持ち良かった。こころも。身体も。
弱っている涼太を包み込んで、癒してあげる。
そんな行為だった。
いつも気持ちよくして貰っているばかりだけど、あの時は涼太の事ばっかり考えてた。
とても大事な時間だった。
だから、いった回数なんて全く気にしてなかったんだけど……涼太はずっと、気にしていたみたいで。
ああいうのだって、いいと思うんだけどな……。
「……うわの空っスね……考えごと? 退屈?」
熱い涼太の手が頬に触れる。
現実に意識が戻ってくると、少し拗ねたような表情。
熱い涼太自身が突き上げられる。
「あ、アッ! ちがっ……」
「余裕っスか?」
内臓がひっくり返りそうな快感。
挿入されている膣の奥から、愛撫されている乳房から、じんわりとカラダ全体に快感が広がっていく感覚に、おかしくなる。
余裕なんて、あるわけない。
「ちがう、ごめっ、ごめんなさいっ……」
「……ウソ。怒ってないっスよ……イキすぎてツライ?」
ぐぶっぐぶっと鳴り続ける水音が恥ずかしくて、耳を塞ぎたくなる。
「ああっ、あ、アッ! も、もう……っ!!」
「ん、オレもイキそ……」
また絶頂が押し寄せてくる。
「りょ、涼太……ぁ!」
「……みわっ……」
ナカで涼太の精が暴発したのを感じ、襲い来る絶対的な快感の波に呑まれたところでゆっくりと意識が遠のいていった。
「……みわ」
……きせ……くん……の、こえ……。
「……あ……?」
「みわっち、意識飛ばしてたんスよ」
「えっ、ええっ」
「ほんの少しの間っスけど……大丈夫?」
「……ウン……」
気持ちよすぎて、最後は……いきながらすーっとどこかに吸い込まれる感じだった。
「ゴメンネ。結局最後までしちゃって……みわっち、アリガト」
なんで謝るの。
私がして、って言ったのに。