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【黒バス:R18】解れゆくこころ

第32章 映像


「はーっ、美味かったっス! ご馳走さま!」

相変わらず愛のこもった食事に、満たされる。

「お粗末さま。今日は疲れたでしょ。もう横になったら?」

確かに。
練習に加えて事務所への移動、愛想笑い。
更に、DVDの件で少し、疲れている。

こういう時こそ、抱き合ってストレス解消したいんスけどね……。

まだ、無理させらんねーし。
ガマンっス。

DVDを確認するのは、明日にしようか。
この疲弊したココロで観るのは、ちょっと……。

お皿を下げて、洗おうとすると横から優しく制止された。

「今日はいいから。ネ」

にっこりと微笑むその表情。
ああ、可愛いな。
大好きだ。

「ごめん……甘えていいっスか」

「うん、おつかれさま。お休みなさい」

「みわっち」

「うん? ……!」

オレの今の気持ち全部込めて、キスをした。

「みわっち、ありがとう。先に……横にならせて貰うっスね」

真っ赤な顔をしたみわっちを背に寝室へ向かった。

ベッドに横になると、疲れが身体中から染み出してくる。

それなのに、すぐに寝付けない。
頭だけが覚醒してしまっているのか。

枕に残っているみわっちの残り香を嗅ぐが、なぜか目が冴える。

そんなこんなをしている内に、彼女が寝室に入ってきた。

「あれ……寝付けなかったの?」

「そーなんス……家事任せちゃったのに、ごめん」

「ううん、それはいいんだけど……大丈夫? なんか、凄く疲れてるみたいだから……」

みわっちが、オレの頬に手を添えて顔を覗き込んでくる。

あー……
好きだな……

「好きだよ、みわっち」

「ど、どうしたの急に」

「急じゃないっスよ。いつも思ってる。もっかいキスしていい?」

布団の中で、抱き合ってキスをする。
抱きしめる腕に、少しだけ力が入った。

「黄瀬くん……したい……?」

とろんと蕩けた目をしたみわっちが、とんでも無いことを言い出した。

「何言ってんスか。まだ痛いでしょ」

「も、痛くないよ……もし、スッキリするなら、と思ったんだけど……」

まったく、このコは。

「オレ、そんな気持ちでみわっちの事抱きたくねー。寝るっスよ」

「ごめんなさい……」

みわっちが小さな声で謝った。




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