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【黒バス:R18】解れゆくこころ

第32章 映像


「ううん、こっちこそ……強い言い方してごめん。オレ、ちゃんとみわっちの事、大事に抱きたいんス」

長い間苦しめられてきたみわっちを、大事に、大事に抱いてあげたい。

感情に任せての行為には及びたくなかった。

でも、みわっちは頭を縦に振らない。

「ありがとう。すごく、嬉しいんだけど……疲れていたら、癒してあげたい。私がそう思うのはダメなこと……?」

「……どういうことスか……?」

「大事にしてもらうのだけが女じゃないよ。
私だって、好きな人を大事にしたいよ。
黄瀬くんのこと、大事に抱きたいよ。
……あ、私が抱くっておかしいかもだけど……」

恥ずかしそうにそう言うみわっち。
なんだよそれ、聞いたことねーよ……。
どんだけ、惚れさせるつもりなんスか。

「黄瀬くん……」

みわっちの唇が、オレの唇に重なる。
少し震えている。

手が、オレの股間に触れた。
偉そうな事を言っているくせに、下はキチンと反応してしまっている。

「……っ……」

みわっちの唇が、首筋を伝って下りていく。

たどたどしくも、懸命に舌を這わせているのが分かって、全身がゾクゾクした。

「ちょ、みわっち……」

舌が腹筋を沿って下腹部に向かっている。
そんなの、されたら……

みわっちの手がズボンにかかった時、ようやくオレは彼女を抑えた。

「みわっち……そんな挑発してどうなっても知らねっスよ?」

「……あっ」

みわっちを押し倒して、唇を奪う。
これ以上するつもりはなかったのに、彼女は、オレの部屋着のボタンに手をかけ始めた。

「ちょっと、みわっち。今日はどうしたんスか……」

明らかにヘンだ。
何かあった?

「だって黄瀬くん、昨日から変だったから……。何か悩んでるの? 私には言えないこと?」

「……言えないとかじゃなくて……ホラ、仕事の事っスから、イライラする事も多くて、さ」

無理のある言い訳。

「そっか、ごめんね、しつこかったね。寝た方がいいよね……」

「みわっちがしたいっていうなら、するっスか?」

健気なみわっちに、胸が痛む。
わざと悪戯っぽく、彼女の下着に手を入れた。

この状況で、濡れてるわけないけど。



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