第32章 映像
深く重ねた唇から、半開きの口に舌を差し入れる。
片手は乳房を優しく揉み、もう片方の手で臍のあたりを撫でた。
「……んぅ……」
ピクリと身体が反応する。
我に返って唇と手を離した。
あぶね。
無意識に何やってんだ。
朝からおっ始める気スか。
「……きせ、くん……?」
「オハヨ、みわっち」
良かった。気付かれてない。
「……おはよう」
少し恥ずかしそうに、照れたように挨拶する姿が可愛くて。
声が少し嗄れている。
イイ声、いっぱい聞かせてくれたからっスかね。
「みわっち、シャワー浴びる?」
「うん。ありがとう」
全身キスマークだらけの身体を起こし、ベッドから降りようと足を床につけたがそのままへろへろと座り込んでしまった。
「あれ……」
「立てない?」
抱きかかえて、ベッドに座らせるとやはり腰が立たず、オレにもたれかかる体勢になった。
「力が……入らなくて」
「まだ少し横になってた方がいいっスね。ご飯作ってくるから待ってて。食べれる?」
「あ、うん……あんまり、食べられないかも」
みわっち、学校なのに大丈夫かな。
……オレのせいだろって?
軽くスープを作って部屋に戻ると、ベッドの上で座っている姿が見えた。
「あ、座れたんスね。はい、スープ」
「うん、ありがと。なんとなくチカラ、入るようになってきた……」
「学校、行けそう? あんまり無理しないで」
「大丈夫だよ、ありがとう」
柔らかい頬を触ると、くすぐったそうに目を細めた。
1日中、ずっと抱き合っていたい。
ずっと、オレの腕の中に……。
それでまたずーっと鳴かせて……
「……くん、黄瀬くん?」
「あ、ゴメンみわっち。ボーッとしちゃってて。なに?」
「黄瀬くんは大丈夫なの? 身体」
へ。オレっスか?
「……えっと、ゴメンね。全く問題なくってゆーか、超絶好調なんスけど」
女のコとは違うんスよ。
オトコは突っ込んでるだけっスからね……。
ボロボロのみわっちを見ると、申し訳ない気持ちになる。
「ご馳走さま。シャワー、借りていいかな」
「ひとりで大丈夫っスか?」
「うん、今は大丈夫そう……」
みわっちは、顔を赤くしてそう言った。
どういう意味っスか?