第32章 映像
ほどよく冷えた寝室に戻ると、みわっちはすやすやと深い眠りに入っていた。
起こさないよう、蒸しタオルで身体を拭く。
グショグショになっている秘部はタオルで拭く前にティッシュで拭うと、大量の愛液と、少量の血液が付着した。
彼女は痛みに耐えて必死にオレを受け入れてくれたんだ。
苦痛に歪んだ顔すらも可愛くて、愛しくて。
オレの全てを受け入れてくれた。
またも最中の事を思い出し、堪らなくなった。
彼女の身体を拭いて布団をかけると、さすがに襲いくる倦怠感に逆らえなくなってくる。
勢いに任せて2回出したので、身体中がだるくて仕方ない。
自分の処理はそこそこに、ベッドへ入る。
みわっちを腕の中におさめるとその柔らかい肌と香りに、安心感で包まれた。
……おかしい。
抱いてオレのものにしてしまえば、安心するんだと思っていた。
でも、漠然とした不安は消えない。
むしろ、抱く前よりも愛しくて、尊くて、するりとオレの腕を抜けていってしまいそうな気さえする。
正体が分からない不安を振り払うように頭を振り、みわっちの隣で眠りについた。
いつも通りの朝だ。
昨日のセックスは始めた時間も早かったから、睡眠時間を削るようなことにはならなかった。
好き放題出して、身体はスッキリしているし。
みわっちはオレの腕の中で安らかな顔で眠っているようだ。
するりと布団を抜け、清々しい気持ちでロードワークに出かけた。
スマホを見ると、珍しくモデル事務所の担当から着信があったようだ。
そういえば、昨日は珍しくスマホを寝室に持って行っていなかった。
もし持って行ってたら、中断されたかななんて考える。
いや、止まんなかっただろーな……。
昨日の夜から、オレのあんまり質の良くない記憶回路たちが一所懸命に、昨夜のみわっちの映像を鮮明に届けてくれる。
今日、授業中とか気をつけねーと……うっかり妄想ばかりしていたら勃起してしまう。
みわっちは、まだ目を覚まさない。
セックスはやっぱり次の日が休みじゃないとキビシイっスかね……。
「……みわっち」
すぴすぴと寝息を立ててる姿を見て、思わず深く、唇を重ねた。