第31章 初めての
「みわ、ちょっといい?」
腰を浮かせると、下に何かを挟んでくれる。
これ……枕?
「ごめん、夢中になりすぎてオレ、自分の事しか考えてなくて。これで少し痛み、ラクにならないスかね」
「……ん、ありがとう……」
「怖くなっちゃったっスか?」
涙が次から次へと流れてくる。
勝手に……なんでだろう。感情のネジが壊れたみたい。怖くないのに。
少しだけ挿入された黄瀬くんのモノが私のナカで硬く熱く、主張している。
この人を、全部欲しい。
「一旦、抜くっスね」
だめ。行かないで。
「や……」
思わず手を掴んだ。
「……みわ?」
「や、やだ、私もう我慢できない……奥まで入って、きて……」
恥ずかしい。黄瀬くんは私の身体の事を気遣ってくれてるのに。
黄瀬くんは紅潮していた頬を更に赤く染め、顔を近づけて来る。
「ちょ、今オレすげーオトナの選択したのに、なんでそんなカワイー事言うんスか」
分かってる。分かってるよ。
いつも、自分を犠牲にして私の事を一番に考えてくれてるから……。
でも……
「オトナじゃなくていいよ……ひとつになりたいんだもん……!」
驚いたような表情、それに、私の中にいる彼が反応するのを感じた。
「みわ、無理なら、ちゃんと言って」
「へいき……。全部、全部ちょうだい……」
「……っ、煽んなってば……ッ」
グッと、硬いものが中を進んでいく。
少しずつ、少しずつ。
「大丈夫? ゆっくり、息、吐いて…」
思わず力んでしまいそうになるけど、
意識して息を吐く。
「……はぁ……んっ……」
なんとなくだけど、ずっと入っている部分は少しだけ馴染んできたように感じる。
それに、腰の下の枕のおかげか、さっきよりも痛みがない。
圧迫感と、ジンジンした痛みはあるけれど。
そして、私の中の存在感はどんどん増していく。
「あ、あっ、りょ、涼太……ッ」
名前を呼んだその時、黄瀬くん……涼太の身体がビクンと反応した。
「う……みわ……っ」
「りょ、涼太……大丈夫?」
「オレ……気持ちよすぎて……ヤバい……」
快感に歪ませる顔が色っぽい。
「涼太のその顔……ハァッ……や……なんか、ドキドキする……っ」
ふいに目が合って、結合部の熱さとは対照的な、柔らかいキスをした。