• テキストサイズ

【黒バス:R18】解れゆくこころ

第31章 初めての


「も、もういいからぁ……やめっ……」

手を掴んで引き抜こうとするけど、ビクともしない。
指はどんどん奥まで入っていく。

「ちゃんとほぐさないと、ホラ?」

「はっ、あっ、やあ、もっ……ああッ……はず……はずかしっ……」

意識が朦朧としてくる。
目の前に靄がかかっている。

「……って、オレももう……限界っスけど」

はあ、と深く息をつく。
心を落ち着かせているみたいに。

「も、大丈夫……だからっ……」

痛くても、いい。

「ごめん、みわ、オレも……入りたい」

黄瀬くんの紅潮した頬と上下する肩、荒い吐息。興奮が伝わってくる。

嬉しい。求められるのが。
黄瀬くんが枕の下に手を入れて、避妊具を取り出した。

「そ、そんなとこに」

「あ、コレ? ……別に、期待してたってわけじゃないんスけど、ね……」

照れたようにそういう黄瀬くんが可愛くて、今すぐ抱きしめたくなる。
口で袋を開けると、慣れた手つきで素早く装着した。

その一連の動きを見るのは初めてで、ちょっと凝視してしまう。

「ん? みわ、見過ぎ。……今からコレ、入るんスよ」

「……!」

視界を遮るように、頬にキスされた。

今から、それが。
言葉にされると物凄く恥ずかしくなる。

「みわ、いい……?」

「お手柔らかに、お願いします……」

硬いものが入り口に当たる。
熱い。熱いのは彼か、私か。

「……力、抜いて、息吐いて……」

その硬いものが、中に……

「う、うっ……あ……いッ、……」

痛い。指が最初に入ってきた時とは比べものにならない。裂けてしまいそうだ。

「みわ、ごめん、痛いっスか……」

「い、痛……っ……」

予想以上の痛みに、頭がくらくらする。
狭い肉壁を擦りながら、硬くて熱いものが差し込まれていく。

「あ、あう……ううっ……」

思わず、息を止めてしまう。
痛い。

すると突然、動きが止まった。

「はあっ、はあっ……え……?」

「……フー……ッ」

黄瀬くんが大きく深呼吸して、天井を仰ぐ。
頭を撫で、申し訳なさそうに微笑んだ。

「ちょっと焦りすぎたっスね。痛いのに、無理矢理進めようとしてごめん。ゆっくり、しよ」

痛みからなのか、その優しさになのか、涙が流れてきてしまった。


/ 2455ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp