第31章 初めての
「……っおかしく、なる……でも……やめ、ないで、ッ」
黄瀬くんが優しく、妖しく微笑む。
「……みわっちの顔見れば、分かるっスよ。ゴメンね。言わせたくて」
「えっ……! い、いじわるっ……あっ」
ぬるぬると指が陰裂を滑ると、快感に、腰が動いてしまう。
「すげ、濡れてる。中からどんどん、溢れてくる。……指、入れていい……?」
まだ一度も、黄瀬くんが私の中に入ってきたことはない。
「……怖いっスか」
怖かった。自分の中に受け入れるのが。
ヤツだったり、あの痴漢だったり、いつも私の意思とは関係なく中を犯されてきたから。
挿入という行為自体が、恐怖と嫌悪の対象だった。
婦人科検診ですら、女医さんの所でなんとか耐えられる、というレベルなんだ。
でも、いまは。
黄瀬くんの全部。全部受け入れたい。
彼の手を取って、自分の陰部に当てがった。
「平気……触って、くれる……?」
黄瀬くんが息を呑むのを微かに感じた。
あれだけ拒否を続けてきたんだ。
黄瀬くんも緊張してる?
「力、抜いて」
入り口に、指が当たっている。
少し躊躇ったあと、ゆっくりと肉壁を割って入ってきた。
「んんっ……!」
ゾワリとするような違和感。
痛い。チリチリと粘膜が少しずつ切られていくような。
「せま……みわっち、痛い?」
「……っは、だい、じょ……っ」
「息、止めないで。痛くしたくない。もっと力、抜いて」
また、キス。
舌の動きに、全身の力が抜けていく。
「んぅ……」
「ん、そう……そのまま、力まないで……」
ハッキリと、自分の秘部に黄瀬くんの指が入っているのを感じる。
何かを探すように、ゆっくりゆっくりとナカがかき混ぜられていく。
「あ、あ、ああっ」
何、この感覚。
身体の中から快感が染み出してくる。
ちゅくちゅくと、恥ずかしい水音が響いてくる。全部、私の……!?
「ん、んっあアッ」
足が、自分の意思とは関係なく開いていく。
見ると、まるでカエルのような大股開き。
恥ずかしい。こんな格好で、喘いで。
でももう、とまらない。
「やば、オレすげコーフンする……っ」
「やあっ、あんっ、あっ、黄瀬く、んッ」
まだ少しだけ痛みの余韻はあるけど、彼に触れられるのが、きもちいい。