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【黒バス:R18】解れゆくこころ

第31章 初めての


あっという間に組み敷かれていて、唇は黄瀬くんの唇で塞がれる。

「みわっち、勝手な事言わないでよ。オレが、アンタからどれだけのものを貰えてるのか、知らないだろ。
オレが、アンタの事どんくらい好きか知らないだろ……!」

「……っ!?」

強く私の身体を押さえつける力とは対極の、優しく甘美なキスだ。

溶ける。黄瀬くんの熱い言葉が耳を溶かす。
甘いキスが唇を溶かす。

「……ぁ……」

「……ッ、みわっちの笑顔が見たくて、好きで、好きで、わけわかんねーくらい好きで……っ」

これは、夢?

「オレだけのみわっちでいてよ。みわっちだけ居ればいいんス。ずっと、そばに居てよ……!」

これは、夢だ。

「みわっち……好き……どうしたら、オレのものになってくれるんスか。嫌いになんかなるわけない。面倒なんて思わない。
好き……安心するまで何度も言うっスよ、オレは、アンタが好きなんスよ。もう好きなんてものじゃ収まんない、この気持ちを表す言葉がない」

私の目から溢れる涙が、止まらない。

「こ、こんなの、夢に決まってる……」

「夢じゃないっスよ……。どうしたら、信じてくれる?」

「……だっ、だって……私、トラブルばっかり引き寄せてくるし……っ……」

「ホント、心配で目が離せないっスわ」

「えっちなこと、我慢させてばっかだし……」

「言ったでしょ。みわっちがいいと思える時まで、待つって」

「わたし、わたし……っ」

「オレの気持ちだけには、不安にならないでみわっち……」

「……っ、うああああんっ……!」

子どもみたいに胸の中で大泣きして。
また、黄瀬くんを困らせた。

好きだ。
大好き。

黄瀬くんが言ってくれたのと全く同じ。
この気持ちを表現できる言葉が見つからない。

好き?
大好き?

どれだけ言っても、足りない。

この人の、全てが、欲しい。





……結局その後目が覚めてしまい、2人でベッドから下り、黄瀬くんは朝のロードワークに向かった。

私も行きたかったけど、この状況もあり、不用意に外に出るのは避けて、家で朝ごはんを作って待っている事にした。



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