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【黒バス:R18】解れゆくこころ

第30章 疑心と安心と


「神崎サン? ああ、付き合ってたっスよ? まあでも色々面倒くさくって、別れたっス」

「そうなの?」

「なかなかヤらせてくんないし」

「そうだったんだ」

「うん。バスケだけに集中したいのに、マジあーいうの勘弁っスわ」

「好きって言ってたのに」

「うーん、若さゆえのってヤツっスかね。よっく考えたら、もっといいコいっぱいいるし」

「例えばアタシとか?」

「いいっスね」






「……っ」

今の、夢?
黄瀬くんと誰かが話してる……

ここ、黄瀬くんの部屋の天井だ。
夢、か……

すごいリアルだった。
夢なのに、ショック。

黄瀬くんの本心だったのかな。
正夢……とか……。

ふるふると頭を振って窓の方に目をやる。

朝……だけどまだ日が昇ってない。
カーテンの隙間からは薄暗い空が見えた。

……私また寝ちゃった、のか……。

ゆらゆらと心地よいのは覚えてるんだけど、寝入る直前は覚えてない……。

目の前では黄瀬くんが寝ている。
珍しく口が開いてて、無邪気な寝顔が可愛い。

なんだか覚醒してしまって、二度寝は出来そうにないな。

スマホでも取りに行こうかと、ベッドを出ようとすると、すかさず手首を掴まれた。

「……みわっち……おきたんスか……どこ、いくの……」

ああ、起こしちゃうのは最悪だ。
急いで元の姿勢に戻る。

「ごめん、大丈夫。どこにもいかない。おやすみなさい」

「……みわ……っち……ぐう」

また寝てしまった。
なんで一瞬目が覚めたんだろう……直感?

同じ高校1年生なのに、こんな風に守られて。

犯人は今、どうしているんだろう。
今も、付きまとわれているんだろうか。

もし犯人が私たちを見ていて、それで……黄瀬くんが狙われたり、しないよね?
逆恨みで……とか……。

ゾッとした。

それだけはあってはならない。
警察は警備を強化なんて言ってたけど、正直アテにならないと思う。

自分でも何か出来ることはないだろうか。
一度、家に戻ってみようか……?

いや、だめだ。ここですらこんな状況であの家に住める気がしない。

早く次の引っ越し先を見つけて引っ越してしまおう。

でも、それをストーカー野郎が気づかないとは到底思えない。

しばらくはここに置いてもらうべき、なんだろうか……。


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