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【黒バス:R18】解れゆくこころ

第82章 掌中の珠


オレが、一緒に暮らしてたらどうだろうか。安心して薬飲めるかな。

そもそも、不眠自体が良くなるかもしれない。
ただの自惚れかもしんないけど、みわはオレと居ればちゃんと寝られるみたいだし。
実際、一緒に暮らしていた時はそれほど酷くなかったみたいだし。

……なんか、必死にメリットをアピールしてる気分になってきた。
オレと一緒に暮らすと、こんなにいいことがあるよって。

「身体、しんどくないんスか」

「うん、ありがとう……ほんとに眠いだけ、なの」

あれから、特に薬物の副作用が残ったりはしなかったのが不幸中の幸い……精神的な影響がどのくらいあるかは、正直なところまだまだ分からないけど……。

「疲れたんスね。おやすみ」

「おやすみなさい……ん……っ」

そっと唇を重ねながら柔らかい耳朶に触れると、いつもより温度が高いのを感じる。眠いからだろうか。
みわは陽だまりの猫のように気持ち良さそうに目を細めて、わずかに身じろいだ。

「良い夢見れますように」

「涼太……」

「ん?」

「ありがとう、だいすき……」

へにゃっと微笑んで、胸に顔をうずめながらそんな事を言うみわ。

……ちょっと、そんなんされたらスイッチ入るんスけど……。

頭をそっと撫でると、間もなく聞こえる寝息。
相当眠かったみたいだ。

「……オレも」

やっと、それだけ言うことができた。

毎秒毎秒、なんでこんなに好きなんだろう。
……可愛い不意打ちに、一瞬で勃ち上がった下半身。
鎮めてからリビングに戻らねーと……頭の中で必死に九九を踊らせる。はぁ、情けない。


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