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【黒バス:R18】解れゆくこころ

第29章 事件


一応、客用の布団持ってきてて良かった。

流石にあんなことがあって、一緒のベッドっていうのは抵抗があるだろうし。

みわっちがいつまで居てくれるかは分かんないけど、ベッドとラグくらいはすぐに用意した方が良さそうっスね。

こんなカタチで一緒に住む事になるのはちょっと不本意っスけど……

「いやあああ!」

断末魔のような悲鳴に、思わず布団を放り投げてみわっちの所に戻った。

「どうしたのみわっち!?」

「イヤ……イヤ……なんで……何……」

部屋の隅に逃げ込んでいるみわっち。
先ほど少し良くなった顔色も、真っ青を通り越して真っ白だ。

恐ろしい物を見たような顔で、ガクガクと震えている。
一体、何が!?

手前にはカバンと散乱した郵便物の山。

そこに、それはあった。

宛名のない白い封筒が2つ。
片方が開封されていて、床には複数の写真。

拾い上げて確認する。

「なんだ……これ……」

カーテンの隙間から撮られているのか。
それとも、室内から盗撮されていたのか。

みわっちの着替えや寝ている顔、掃除している姿、ご飯を食べている姿……彼女の日常がそこには写っていた。

「いや……誰が……ねえ誰が……」

写真を放り出し、みわっちの元へ。
まずは、彼女のケアだ。

「みわっち……」

腕を伸ばすと、みわっちの身体が大きくビクついた。

触れる事はせず、みわっちの目を見つめる。

「みわっち、大丈夫、ここは大丈夫だから。セキュリティしっかりしてるから。ね?」

みわっちの目は虚ろで、焦点が合っていない。

「や……いやだ……いや……ねえ、もう1つ封筒があるの。それも同じ? ねえ」

ショックで錯乱している。
このままは危険だ。

「落ち着いて。ちょっと休もう? 色々あって今は混乱してるし、あ!」

みわっちが凄い勢いでもう1つの封筒を拾い上げる。

嫌な感じがする。
ダメだ、開けちゃ。

「みわっち、オレが開けるから……!」

手と手がぶつかり、白い封筒が落ちてしまった。
中身が一部、床に飛び出した。

「……!」

封筒の中には、精液が溜まった使用済みのコンドームが詰められていた。


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