• テキストサイズ

【黒バス:R18】解れゆくこころ

第82章 夢幻泡影


……頭が、重い……

開けた視界に入って来たのは、白い天井。

……あれ。
どこ、だっけ?

怠い身体をなんとか動かして転がると、そこは……私の部屋だった。

あれあれ……なんでここで寝てるんだっけ。

おまけに、違和感を感じて見てみると、衣類を何も身につけていない。全裸だ。

なんで裸でお布団に入っていたんだっけ……?

記憶の糸を手繰り寄せる。
昨日は…………そうだ、ゼミのひと達に飲みに誘われて……えっと?

グラスワインを頼んだ、よね。
涼太からのプレゼントのお話になって……そうだ、タケさんが隣に座って。
ちょっと気まずくなったから……うん、お手洗いに立って、涼太とお電話したよね。

そこからの記憶が……すっぽりと、ない。

ゾッと、背筋を走る悪寒。
今まで記憶がなくなった時と言えば、何か大きな精神的ショックがあった時だ。

でも、今までとは状況がなんとなく違う。
そこまでの記憶はしっかりある。
朝起きて顔を洗ってから涼太とお話をしたところまで、記憶に欠けはない。

気持ちが悪い。
帰ったんだっけ?
そのまま飲んでいたんだっけ?
酔ってしまったなら、お酒を飲んだ記憶はあってもいいはず。
こんなに何も覚えてないって、ある?

それに、この怠さ。
布団から起き上がろうという気力が湧いてこない程の倦怠感。

今、何時?
スマートフォンはどこだっけ?
鞄の中……かな。

何も思い出せないまま、ずりずりと床を這って移動する。
別にどこか痛いとか辛いとかいう感覚はないんだけれど、とにかく怠くて眠い。

なんとか辿り着いた鞄を探ると……あった。
履歴を確認して、涼太とお電話したのが夢ではなかったと確認する。

特に、メッセージの未読もない。
何か大きな事があったような形跡がない。

時間は朝の6時になろうというところ。
今日は家でやりたい事があるだけだったから良かった。

床の冷たさを肌で感じて、気がついた。
ちゃんとクーラーがついている。
帰った時に、つけたんだろうか……?

喉が渇いたから、なんとか気合いを入れて起き上がる。
立ち上がって、陰部の違和感に気がついた。

なんでこんなに、濡れているの?


/ 2455ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp