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【黒バス:R18】解れゆくこころ

第82章 夢幻泡影


何度も突かれて、その度に喉の奥から、掠れて潰れた声が出てしまう。

こんな声を聞いて、萎えてしまわないだろうか。
そうは思っても、声を抑える余力は全くない。

お腹の中で、子宮がぷっくり膨らんでいくような錯覚……また、いってしまいそう。
これで何度めだろう。

快感について、男という性は『火』で、女という性は『水』なんだと聞いた事がある。

例えるなら、セックスは水を張った鍋を火にかけているようなものなんだって。

水は沸騰するまでが長くて、でも一度沸騰してしまうとなかなか温度が下がらない。

そうして、女性の快感は、継続するんだって。
対して、男性は点いた火をパッと消すかのように、刹那的なんだって。

男性の感覚は残念ながら分からないけれど、女性側のそれを聞いた時に全くその通りだと、納得した。

ゆっくりと繰り返される挿入、グリグリと最奥を押されて、ただ喘ぐしか出来ない。

ぐつぐつと沸き上がるような情動に揺さぶられて、刺激を受けた涙腺が次から次へと液体を送り出す。

嬉しくて幸せで気持ち良くて。
一番近くでこんなにも好きなひとの熱を感じる事が出来て……

「……りょっうた、いっ、ちゃう」

「ん……ごめん、オレもそろそろ」

「あっ、あーー……っ……!」

「……っく、締ま」

お尻を掴んでいた手に力が込められて、体重を乗せながら突き込まれると、また身体は頂点に達した。

そしてその後すぐに、涼太も動きを止めた。
中に入っている彼が、ドクンドクンと精を吐き出している気配を感じる。

ああ、私……やっぱり変態さんになっちゃったのかも。
涼太が、私の中で気持ち良くなってくれたという事に、彼が私の中で射精をしているという事実に、こんなにも興奮してる。

中での拍動がおさまると、また後ろから優しく抱き締められる。
ただそれだけなのに、こんなにもこころを満たしていく幸福感。

好き。
好き……大好き。



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