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【黒バス:R18】解れゆくこころ

第82章 夢幻泡影


「ちょっと仕切り直し……しよ」

優しい声はそう告げて、繋がったまま私の身体をころんと転がした。

あっと言う間に、うつぶせで腰を上げた体勢にされて、さっきより更に奥まで彼が入ってくる。

「う……あ」

私が、後ろから挿入される体位も出来るようになってから、する頻度が多くなってきた気がするんだけれど……

「……涼太……、この体勢、気持ち、いい……?」

涼太が気持ちいいなら、いいんだけれど。
なんか、自分から見えない所を全部見られているのが恥ずかしくて、布団に埋まりたくなってしまう。

「っあうぅ……」

後ろから強く抱き締められて、胸を弄られながら一番奥を刺激されると、自分でも聞いた事のない、声じゃないような声が出てしまうのも、恥ずかしすぎて。

「んー……確かにめっちゃ気持ちいーんスけど……みわがお尻振ってくれんのがカワイイんスよね」

「おっ、おし!?」

「ほら」

「あっ!」

今度は陰核も弄られて、下半身が揺れた。
ねだっているように思われてしまうだろうか、彼の目には下品に映ってしまっているのだろうか、そんな心配事が去来するのに、止められない。

「んはぁ、っあ」

「……怖くは、ないんスか」

耳元で囁かれる声は、どこまでも柔らかくて。
もう、怖くなんかない。
このひとと過ごす時間は、幸せだらけだ。
交わし合う熱が、身体中を熱くする。

「怖く……ないよ。涼太とこうしてるの、すごく幸せ……」

溶け合う身体の温度に、心のあったかさに、目頭が熱くなる。

『もしこの世を離れる事になったら、海常の体育館で待ち合わせ』

死が二人を分かつ事になっても、その先の約束がある。

"未来"を持たなかった私にとって、それは"キセキ"なんて言葉では到底表しきれない。

このひとがくれる全てのものを受け取って、このひとに全てお返ししたい。





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