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【黒バス:R18】解れゆくこころ

第82章 夢幻泡影


「涼太ぁ……ほんとうに、もう、だめ、下ろして……」

絞り出した声でそう伝えると、涼太は渋々といった声で応じてくれた。

涼太は気持ちいいよりも辛いんじゃないかとか、とにかくもう気になってしまって仕方ない。

「いー感じだったんスけど……よい、しょっと」

「あっ、下ろし」

反論する前に涼太は私を抱えて歩き、ベッドの端へと腰掛けた。
やっと両足が柔らかいシーツの感触を捉えたけれど、身体の真ん中に彼が埋め込まれている状況には、変わりがなくて。

豪華なはずの調度品の数々も、全く目に入らない。
目の前のこのひとしか、認識出来ない。

「大丈夫? まーだ始まったばかりなんスけど」

「ん……っ、んっ」

しがみついていた腕をゆっくり解かれて、目があったと思ったら唇が合わさった。

大きな手が、胸を包む。
なんでこんなに、優しく触れてくれるんだろう……先端を弄られて、ぞくぞくと、甘い快感が背筋を走る。

「お望み通りちゃんと全部、食べてあげるっスよ……実際はみわがオレのを、まるっと呑み込んでるんスけどね」

「また、いじわる、言う……ぅ」

涼太の先端に押されるたびに、呻きのような喘ぎ声が漏れてしまう。

ホッとしたせいなのか、気持ち良さがどんどん加算されていく気がする。

「あ……っ、はっ、はっ」

喉の奥から掠れた音しか出なくなってきて、お尻とお腹の間のところから、じわじわした快感が響いてくる。

「りょうっ、た……ん、いっちゃい、そう」

この、気持ちが良すぎてどうにも出来なくなって、感情と動作の行き場がなくなってしまうのがいつも困る。

「今日はまた、ペースが早いっスねえ」

クスリと笑った彼に突然濃厚な接吻を交わされて、そのまま一気に快楽の頂点まで突き抜けてしまった。


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