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【黒バス:R18】解れゆくこころ

第29章 事件


みわっちが、泊まりに来るって。

その言葉が頭を巡って、ついつい頬が緩む。

下心丸出しかよ。

今後のスケジュール確認したら、次の1日休養日は来月なんスね……。

いやでも、目標があれば頑張れるっス!

それにしても……みわっちの家に、下着泥棒。

みわっちはそんなに気にしてる様子、なかったけど……。

あれから数日、その後は特に何もないみたいだ。

でも、この間海常祭の時に、黒子っちのある質問が、今になって気になってきた。

スマートフォンを手に取り、連絡先から彼の名前をタップする。



『神崎さんのご家族が海常祭に来てたかどうかの質問ですか?』

「そうっス。あん時は気になんなかったけど、なんでそんな事聞いたのかなって」

『……あの日、黄瀬くんと神崎さんを見かけた時とか、体育館裏の近くとかに同じ男性がいるのに気付いたので。
お父さんがいらしてるのかなって』

……みわっちの周りを男がついて回ってた?

「男? 男だったんスか? どんなヤツ? 写真ない? 間違いなく同じヤツだった?」

黒子っちの人間観察力はオレも分かってる。
確信もない事をこういう風に言ったりしない。

でも、聞かずにはいられない。

『はい、間違いなく同じひとでした。50代くらいですかね……見た目的には特に特徴もないおじさんという感じでした』

「なんか他に気付いた事、あったらまたすぐに連絡くれねっスか。お願い」

『……分かりました。すみません、僕の発言で不安にさせてしまっていたら』

「ううん、ありがと。助かったっス」

……なんか嫌な予感がする……。

「あ、黄瀬くん電話終わった? 帰ろうか!」

部室まで戻ると、明るい笑顔のみわっちが迎えてくれた。

「うん、お待たせっス。帰ろう」

……思い過ごしだといいんスけど……。



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