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【黒バス:R18】解れゆくこころ

第28章 デート


「結局、なんだかんだ遅くなっちゃったっスね」

「……だ、だってずっとキスしてるから……」

「だって、みわっちとのキスってマジで気持ちいーんスもん」

サラッと悪びれもなく言う。
こっちはもう、腰がふらふらなんですけど!

「みわっち、さっき言ってた下着泥棒、警察に連絡した方が良くないスか?」

「うん……でも、ホントに最近なの。前までは全然だったし……。部屋干しにする事で防げればいいなって思うんだけど」

「他になんか変な事されてたりは? ストーカーみたいな」

途端に不穏な単語が出てくる。
ストーカー? 私だけを狙ってる、ってこと?

「ううん、思い当たる事はないよ。……ストーカー……考えつきもしなかった……」

無作為に狙っているものと思い込んでた。

……何か……普段の生活でおかしなこと、あった?

……ない……はず……。
誰か不審な人に話しかけられたりした事もないし、本当に心当たりは全くない。

「ごめん、余計な不安煽っちゃったっスね。みわっちのアパート、もうちょいセキュリティがしっかりしたトコだと安心なんスけど」

「貧乏人にはあのアパートが精一杯だよ」

ただでさえ金銭面で迷惑をかけているのに、これ以上贅沢を言うわけにはいかない。


「待ってるって言っときながらまた言うけどさ、うちならいつでも歓迎っスからね」

「……ありがとう」

そうこうしているうちに自宅へ着いた。
楽しかった1日もあっという間に終わりだ。

「今日は、1日ありがとう。……楽しかった……」

「こちらこそ、可愛いみわっち、いっぱい見れたっスよ。
…………その顔、またキスしたくなるからやめて欲しいんスけど」


……本当に、さっきあんなにしたのに……ワガママ言っても、いい?

「……オヤスミナサイの……ちゅー……して、くれる?」

「ちょ、もー……みわっち!」

困ったような声を出しながら、瞳は優しく弧を描いている。

先ほどまでのキスと同等の熱いキスを交わして別れた。

次の丸1日休養日って、もしかして来月?

……そんなに先だと思わなかったけど、ゆっくり心の準備ができるからいいかな。

本当に自分勝手だ。
でも、やっぱり……少し怖い。

まだ暫く我慢させて、ごめんね黄瀬くん。



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