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【黒バス:R18】解れゆくこころ

第82章 夢幻泡影


「この方が、触りやすい」

「りょ、りょうたっ、こらっ」

再び滑らせた指は、下の唇にすんなりと挟み込まれた。

「だってみわ、こんなに」

「だっ、だめだって、ば」

「みわが可愛いコト言うからっスよ、もー」

「あ……っ!」

指先に少し力を入れただけなのに、ぬるりと中へ吸い込まれていく。
もっと進めば、蠢くヒダヒダに歓迎されるはず。
この中はよっく知ってる。

「もう、準備万端じゃねースか……」

「……っんう、っ……」

声を押し殺して喘ぐ姿に、益々煽られる。
指の付け根を弱い核に押し当てると、また大きく揺れる身体。

「だめ、だめ……涼太……っ」

途切れ途切れの吐息が、徐々に濡れていく。
このままふたりとも暗闇に溶けていってしまえばよいのに、そんな風に考えてしまって。

止めてやればいいのに、止められない。

「可愛いおねだりなら、聞いてあげるっスよ。やめてってお願いは……可愛くないっスかねえ」

意地が悪いのは今に始まった事じゃない。

みわが言えるわけないようなイジワルをして、困っているところを更にいじめるとか、小学生かよっていう。

「涼太……」

「んー?」

みわは小さな声でオレを呼ぶと、ぽすんと胸元に顔をうずめてしまった。
ご機嫌を損ねてしまっただろうか。

「みわ?」

「……涼太……つまみぐい、なんてやだ……ちゃんと、全部、食べて欲しい、のに……」

「……」

自分の口がぽかんと開いているのがわかる。
何故か目の前がユラユラと揺らめく感覚。

「こんな、所じゃなくて……ちゃんと、涼太が見える所で、ちゃんと……」

そこからどうしたのかちょっと記憶がなくて、気が付けばその細い手を引いてホテルへと向かっていた。


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