第81章 夢幻泡影
本能が刺激される、と表現すべきなのか。
理性とは対極の位置にある感情が揺り起こされるのは、相手が涼太だからだというのはもう分かりすぎるほど分かってる。
「あんな風に言われて……今日はもう離してあげないっスよ」
「えっ、あっぁ……っ」
下着の中へ侵入してきた手は、触るか触らないかのタッチで刺激してくると思ったら……突然中へと歩みを進めてきた。
擦るように入り口付近を弄り、ぐるりと一周撫で回してから、的確に弱い所を押し当てる。
「んっ、うっ、んあっ」
長い指が小刻みに振動すると、最初はじわりと気持ち良く感じていたのが……段々と、まるで子宮が揺らされているような快感になる。
「ああ……っ!」
また胸のてっぺんに吸い付かれて、腰が浮く。
むずむずする腰が勝手に前後に振るような動きになってしまい、恥ずかしさを感じても止める事が出来ない。
テーブルの上で大股開きになって彼に恥部を晒しているという事実が既にもう恥ずかしすぎるのに、身体はもっともっとと催促してくる。
「……いー反応」
涼太は濡れた息をひとつ吐くと、更に奥まで指を進める。
「……っ、あ」
刺激されているのは、奥の一番弱いところ……自分の指じゃ絶対に届かない……というか、普通の男性でも届かないんじゃないかと思われるくらい、奥の奥の方。
目が開けられなくなって、身体に熱が篭もってきて、意識がぼんやりしてくる……いつも、いってしまう前に起こる現象だ。
昇りつめていく。
あーとかうーとか、声になるようなならないような音を垂れ流している気がするんだけれど、そんな所に意識を向ける余裕がない。
「りょう、た」
「みわ、もっと呼んで」
「ああっ、涼太っ、りょう……うん……ッ」
ぶるると大きく身体を震わせたあと、呆気なく絶頂へと達してしまった。