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【黒バス:R18】解れゆくこころ

第82章 夢幻泡影


「これ、どうスかね」

「イメージ、カクテル……?」

楽しい一日の記念に、お客様のイメージに合わせてカクテルをお作りしますと書かれている。
バーテンダーさんって、本当にすごいなあ……。

「折角だし、これにしないスか?」

「うん……!」

会話の雰囲気を読み取ったのか、こちらからお声掛けをする前に係員さんがオーダーを取りに来てくれて。
その後にすぐ、バーテンダーさんらしきひとが私たちの席まで来てくれた。

「差し支えなければ、お二人のご関係を教えてくださいますか?」

「恋人です」

いつもの口調を封印し、涼太はそう即答した。
それからいくつか普段のことについて聞かれたりしたんだけれど、私は何故だかアワアワしてしまって、なかなかうまく会話に混ざれていない気がする。

「お二人それぞれのイメージに合わせてお作りする事も出来ますし、お二人の関係をイメージしてお作りする事も可能ですが、いかがなさいますか?」

「え……」

イメージカクテルって、そのひとのイメージで作ってくれるだけなのかと思ってた。
私たちの関係……を……?

「おもしろそっスね。オレらの関係を、っての作ってもらおっか」

「あ……う、うん」

オーダーしてみたけれど、良かったのかな。
私たちの関係って……他のひとからはどう見えてるんだろう。

ポカポカ照らしてくれる、眩しい太陽のような涼太と、……私はなんだろう、おひさまを浴びながら働くアリさんとか……?

「なんか面白いっスね。オレが尻に敷かれてんのとか分かんのかな」

「……尻に……えっ、涼太が?」

「オレはずーっとみわの尻に敷かれっぱなしっスよ」

まさかの発言に凄い勢いで聞き返してしまったんだけれど、涼太は変わらず楽しそうに笑ってそう言った。



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