第82章 夢幻泡影
「結構短時間で回れたっスねえ」
「うん、いっぱい乗れた!」
夏だから日が長いとはいえ、太陽はいよいよ一日のお仕事を終えようとしている。
あれから、シューティングゲームをしながらコースターになっているアトラクションだったり、景色を見ながらゆっくり動く乗り物に乗るアトラクションだったり、不思議の国を歩いて探検したり、お城のような建物をお散歩したり。
あとは、スターリースカイ・コースターのリベンジもして。
最初に乗った時は途中からの記憶が全くなくなってしまったけれど、今度は最初よりも余裕を持って楽しめた気がする。
キラキラ、夜空の中のコースター。
それが一段落してからは、パークのキャラクター達で店中が溢れかえっている可愛いカフェでお茶をして。
ココアを頼んだら、パウダーでキャラの顔が描かれていて……もったいなくてなかなか飲めなくて。
渋られたけれど、今度はちゃんとお金も払えて良かった。
写真もたくさん撮った。
パーク内を歩いていると時々出会うキャラクター達だったり、美しい景色や建物を背景に……とにかく普段の生活では考えられないほど、たくさん。
スマートフォンの写真フォルダを開くと、画面いっぱいに広がるふたりの笑顔。
いっぱい笑った。
とにかく、いっぱいいっぱい笑った。
こころの底から幸せすぎて、泣きたくなるくらい幸せで。
ふたりの想い出って、決して劣化する事がない。
例えば何十年も経って詳細は忘れてしまったとしても、絶対に忘れる事はないから。
人生、嫌な事も困った事も沢山あったけれど、どこかで帳尻が合うようになっているのかな。
……この幸せも、どこかで帳尻合わせをされるんだろうか。