第82章 夢幻泡影
熱が、篭っていく。
「……っん、っ……」
胸の中にすっぽり収まる細い身体。
彼女を縛るシートベルトも外し、包み込むように抱き締めると、躊躇いがちに背中に回される手。
すり、とオレの背中を撫でるように動く指に、ゾクゾクする。
柔らかい果実のような唇に吸い寄せられるように自分のそれを合わせ、角度を変える度に漏れる声は、オレに抱かれてる時となんら変わりなくて。
「……みわは……オレの事、試してるんスか」
「っあ……」
「その声に、弱いんスよ」
「涼太……」
差し込む街灯の僅かな明かりによって浮かび上がった表情は、すげー幸せそうで。
オレを呼ぶ声も、極上の甘さだ。
「んー、なんスか?」
「好き……」
酒でも飲んでるのかって、寝ぼけてるのかって思うほどすんなり出たその言葉に、頭の芯ごと揺さぶられてるかのように目の前が揺らぐ。
ダメだって、これからネズミーランドに行くんだろって。
「オレも」
オレだって、ずっと会いたかった。
大阪に行って少しだけ会ったけど、あんなんじゃ全然足りない。
無意識のうちに肌のぬくもりを求めて、みわのブラウスの中へと手を忍ばせる。
しっとりとして、少し冷えた腹部から背中へ手を回し、彼女の胸を守る布のホックを解放させた。
そのまま柔らかくて張りのある乳房を手のひらで包み込み、カタチを変えてしまうかのように揉みしだく。
すぐに中心がぷくりと膨れ上がるのを感じた。
「あん、っ……」
「……、はっ……そんなカワイー声出しちゃって……どーなっても知んないっスよ」
「あ、っ」
やべー、止まんねえ。
みわも、全然抵抗しねえし。