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【黒バス:R18】解れゆくこころ

第81章 正真


"ヤッてる時なんて脳内麻薬出てんだから、訳わかんなくなって当然だって。 むしろ、その時に、素を見せられるかどうかが大事だと思うよ、あたしは"

熱くなった頭の中で再生されるのは、大事な友達の声。
いつだったか、あきがそんな事を言っていた。

訳わかんなく……なっちゃう、本当に。

幾度となく肌を合わせる中で、みっともない所をいっぱい見せた。
涼太以外になんて、絶対に見せられない顔だ。

ううん……涼太に見せるのだって、本当はとっても恥ずかしいんだけれど……。

涼太は、色んな事を教えてくれる。
知識も、感情も。

「……涼太、よく、知ってるね」

「あー、うん……姉ちゃんによく言われるから、自分でも調べたりしてんスわ」

「お姉さん、に?」

「みわちゃん大事にしろって、会うたびに言われるんスよ……連れて来い連れて来いうるさくてさ」

少し眉を下げて困ったようにする表情は、少しだけ幼さが残る。
先ほどまでの雄々しい表情の中に垣間見える、あどけなさ。

いちいちドキドキして、心臓がいくつあっても保たないよ……。

「もうみわは、ウチの家族の一員みたいなもんスから。いやむしろもう、全員そのつもりっスわ」

「そんな、大それた事」

いやいやいや、そんな図々しい事、出来ないよ。
素敵な黄瀬家の一員だなんて、贅沢がすぎる。

反論しようと思った途端、こめかみに落とされるキス。
ちょっと叱られるような、そんな気分になるのが不思議だ。
彼の唇は、一体何役をこなせるのか。

「今まで……深く気にしたりしなかったから……女のコについてちゃんと調べたりすんの、初めてなんスよ」

「そう……なの?」

涼太は色々知っているから、ううん、知ってると思い込んでいたから、まさかそんな風に調べてくれているなんて、驚きだった。

「知らないコト……多すぎっスわ……こんなに、大事なのに」

また、今度はお布団にくるまれるみたいに優しく抱きしめられて、胸が痛くなるほど熱い。


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