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【黒バス:R18】解れゆくこころ

第81章 正真


左の腰のあたりを滑る肌の感覚に、ひとりでに声が漏れる。
温度の高い手は背中に回り、ごく小さな金属が擦れる音の後に、両胸が解放された。

「あの、触られた、って、服の上から……軽くだから、あの」

怒ってる?
他の男に触らせて……って、嫌な気持ちになった?
どうしよう。

「……ごめんなさい!」

散々考えたけれどもう、とにかくこれしか言えなくて。
大きな声で投げかけたら、また綺麗な瞳に覗き込まれて、息を呑んだ。

「なんで謝るんスか」

「……あ、っ」

少し硬い声に合わせて、大きな手が乳房を包み込む。

「みわはなんにも悪いことなんてしてないっスよね?」

「……でも、ふたりきりになったのは、私……だから」

「みわ」

「っ、はい」

ピタリと止まる手の動き。
少し非難めいた色のある声……。

「違うでしょ、そりゃ、ホテルでふたりきりっつーのは……ちょっと迂闊だったかもしんないっスけど、悪いのはそういうコトするヤツなんスよ。みわが謝る事なんて何もない」

「そんな……だって、涼太にも、嫌な思いさせて」

「何言ってんスか、嫌な思いしたのはみわでしょ」

触れているだけだった手が、今初めて意思を持ったかのように、動き出す。
ゆっくり、まるで壊れ物を扱うみたいに。

「……ん……」

やわやわと揉まれているだけなのに、腰のあたりが疼いてくる。

「忘れる、なんてのは無理だと思うっスから……今だけでも他のコトで頭いっぱいになればいいんスよ」

「あ……っ!」

指で胸の頂点をつままれて、腰が浮く感覚。
向かい合って座ったまま、シャツはたくしあげられて緩んだ下着をめくられて……なだらかな双丘が涼太の前に晒された。

どうしよう、恥ずかしい。
何度彼と肌を合わせても慣れない……この先もずっと慣れる気がしない、この感じ。

ゆっくりと小さな顔が近付いて来て……熱い吐息が肌にかかった。


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