• テキストサイズ

【黒バス:R18】解れゆくこころ

第81章 正真


個室居酒屋の一室であるここは、照明が暗い。
最初はカウンターで飲もうとしたんだけど、オレのファンに見つかったらうるさそうと言って、この部屋にして貰った。
結局トイレ行ったタイミングで、見事にファンの子に見つかったんスけどね……。

そんで、この微妙な暗さがまたなんつーか、眠気を誘うというか……。

「黄瀬ちんはさ〜、結婚とかキョーミあんの〜?」

「ケッコン、っスか〜?」

だいぶアルコールが回ってきて、なんか紫原っちみたいな語尾になってる。

「けっこ、ん〜……」

頭がポーッとして、今聞かれた質問も忘れてしまいそうだ。飲み過ぎか。
ん、マジで今、何聞かれたんだっけ。

……

……ああ、みわのコトだっけ。

「みわは〜、ちょっと頑張りすぎなんスよねえ、もっとなんつーか、頼ってくれればいいのにって、いつも思うんスけど〜」

紫原っちは、また呆れたような顔をしてグラスに入った赤い液体を飲み干した。

「紫原っち?」

「なんでもねーし。黄瀬ちん、そんなんで帰れんの〜?」

「帰るっスよ〜う。だって帰ったらみわにれんわするんス……」

「呂律回ってねーし……黄瀬ちん、ぜってー吐かないでよ〜?」

「吐かないっスよ〜。気持ち悪いってゆーより、きもちいいんスも〜ん……」

なんだか急に瞼が重くなって来た。
目の周りが熱くなって、あーメチャクチャ気分良い……。

「黄瀬ちん、マジで寝るとか勘弁だかんね〜!?」

「寝てないっ、て……」

あー、すげー、ねむい……。
ちょっとだけ目を閉じたら、回復するかも。

「黄瀬ちん!」

紫原っちの、心底メーワクそうな声が遠くから聞こえる。
だいじょーぶだいじょーぶ、ちょっと目を閉じただけだって……。


/ 2455ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp