第81章 正真
『あ〜そだ、みわちん? さっきかけたの、俺だから〜。電池切れたから室ちんの借りようと思ったら、繋がった途端切れたし〜』
道理で、登録のない番号だった筈だ。
「氷室さんも一緒なんですね」
『んーん、室ちんはさっき帰った〜。んで本題なんだけど〜、俺達大会出ることにしたから〜』
「……大会?」
大会、とは?
紫原さんが言うってことは、それってもしかして……。
『学校はバスケ部ないから、黒ちんとミドちんとかとストリートでチーム組むことに『もー紫原っち! 早く! 早く!』
『も〜黄瀬ちん、うるさいし〜! だからみわちん、時間合う時でいいからサポートお願いしたいんだけど〜』
「へ」
待って、黒子くんと紫原さんと緑間さんと?
チームを?
とかと、っていう事はまだメンバーが何人か居て?
「……ほんと、に?」
また、彼らのプレーがコートで見れる?
そのサポートを、私が出来る?
『でもみわちんも、なんか大阪行ったりでタイヘンなんでしょ〜? だから空いてる時でいーし』
「ぜひ、ぜひお手伝い! させて下さい!」
『即答だし……』
また、皆のプレーが見れる。
近くで応援出来る。
断る理由なんて、あるわけがない。
『もしもしみわ、ムリだけはダメっスよ? でもみわが聞いたら喜ぶかなって思って』
「嬉しい! 嬉しい! 本当にありがとう、声掛けてくれて。光栄だよ、頑張るね」
『じゃ、また家帰ったら電話してもいいっスか? あんま遅くなんないようにするから』
「あっ、いいの、私のことは気にしないで。折角会えたんだから、ゆっくり楽しんで来てね」
最後にもう一度紫原さんに代わって貰って、丁重にお礼を伝えてから、通話を終了した。
胸がどきどきする。
なんだかワクワクして、走り出したい気持ちだ。
でもすぐに下腹部痛に遮られて、大人しくベッドへ横たわった。