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【黒バス:R18】解れゆくこころ

第27章 海常祭


「みわっち、話終わったんスか?」

さつきちゃんたち2人は先に帰るという事だった。

「うん、終わったよ! お昼寝してたのに起こしちゃってごめんね」

「いや、オレだけ爆睡しちゃってゴメン」

「私も直前まで爆睡してたの。どうする? まだ終わるまで時間あるし、どこか回る?」

今日は16時までは下校してはいけないし、全部活、練習は禁止されている。

練習を許可することで、学祭の片付けなどが適当にならないようにするためらしい。

「みわっち、回りたいとこある?」

「うーん、特に回りたいって所はないかな。行くなら2年生の先輩方の所かな? また食べ物になっちゃうけど」

「んー、この後黒子っちたちと会うし、も少し寝てていー……?」

黄瀬くんはまだ目がとろんとしている。
最近真面目に授業も聞いてるもんね。

「うん、いいよ。少し経ったら起こすから。このままここでいいの?」

「うん。移動するのめんどくせー……」

そう言うと、黄瀬くんは腰の辺りに抱きついてきた。

「えっ、ちょっとちょっと」

「んー……みわっちの膝枕、めちゃくちゃ気持ちヨカッタ……」

そのまま再び膝の上に頭を乗せて、動かなくなってしまった。

寝息を制服越しに感じる。
眠いからか、黄瀬くんの体温が上がっているようで、触れている腰から下がぽかぽかしている。
ちょっと暑いくらいだ。

さっきもしていたことなのに、今更ながらドキドキしてきてしまう。

壁に寄りかかり、考え事をして煩悩を吹き飛ばそう。



ポケットに入れていたスマートフォンが振動する。
黄瀬くんを起こさないように確認すると、黒子くんからのメールだった。

駅前のファミレスで待っているとのこと。

時間はまだ15時過ぎ。
解放されるまでは1時間近くあるので、その旨をメールで返信した。

こうしていると、切り取られた世界に2人だけが存在しているような感覚になる。

普段ひたすら時間を惜しんでバスケしてるから、こういうゆっくりする時間も必要なんじゃないかなと思う。

一流選手ほど、オンオフの切り替えがうまいというし。



16時近くなると、黄瀬くんがようやく目を覚ました。

「……あー、ボール触りてー…」

私の太腿にすりすりと頬ずりしながらの彼らしい発言に、笑みが溢れた。



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