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【黒バス:R18】解れゆくこころ

第81章 正真


「みわ、たまにはばあちゃんと一緒に寝ようか」

「えっ……いいの?」

おばあちゃんの部屋で、隣にお布団を敷いて貰って。

並んで横になると、なんだかホッとする。
私って本当にいつまでも、子どもなんだなぁ。

そうだ、言うタイミングを逃してた事、今お話しよう。

「おばあちゃん、あのね」

「うん、どうしたんだい?」

「あの……20歳になったらね、しようと思ってた事があって。お父さんの事……ちゃんとした調査会社に、調べて貰おうと思うの」

一瞬で、場が静まり返った気がした。
気のせい、かな……?
何か、まずい事を言ってしまっただろうか。

「調査会社なんて……お金が……かかるでしょう」

「あ、うん、それは……バイト代から出すから、大丈夫。それにね、赤司さんが紹介して下さるって。金額も少し……融通利かせて貰っちゃうかもしれないんだけれど」

今度は、はっきりと分かるほどに沈黙が広がった。
このタイミングで言ってしまったのがまずかっただろうか。

あんまりおおごとにならないようにと、サラッと伝えようとしたつもりなんだけれど……。

「……おばあ、ちゃん?」

「……明日、ゆっくり話そうかね。今日はもう寝ましょ」

「あ、うん。そうだよね、ごめんね。おやすみなさい」

やっぱりこんな、ついでみたいに言ったのがいけなかったよね。
大切な、話だもん。

お父さんに会えて、お父さんの事を……家族の事を聞けたら……前進出来ると思うんだ。

目を背けている事から。
甘えている事から。

目を閉じたけれど、眠気は訪れない。
心臓がすぐそこにあるみたいに感じる。
緊張……今からするの、早すぎるよ。

涼太に教えて貰った……ゆっくり息を吐いて、またゆっくり吸う。
少しずつ、少しずつ呼吸と意識を深くまで沈めていく。

そうして、ようやく眠りにつく事が出来た。

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