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【黒バス:R18】解れゆくこころ

第80章 進展


涙と一緒に、髪の毛先から断続的に落ちる水滴が、まるで雨粒みたいだ。

ぱたぱたとマットにシミを作るのが、なんだか少し神秘的で、どことなく痛々しくて。

思わずみわの手からタオルを取り、くしゃくしゃと髪を拭いた。

「わ、涼太……っ?」

「なんでそんなコト言うのか、ワケわかんないんスけど」

ごめんなさい?
嫌いになるよね?
それはこっちのセリフ。
オレのコト、怒ってたんじゃないんスか?

「っ、だって……やっと、成人したねっていう日に、私……」

消え入りそうな声で、縮こまってしまうみわ。

「涼太にふさわしい大人の女性になるって、誓ったばっかりなのに……!」

「ぶはっ」

堪らず吹いた。
盛大に吹いた。

「……おもしろ、かった?」

「待って、それで泣いてたんスか?」

「……めそめそするのもやめようって、思ってたのに……」

ちっちゃくなってちっちゃくなって、消えてしまいそうだ。
みわはどうやら、ひたすら自己嫌悪に陥っていたらしい。

「オトナの女性になるって誓ったのに、お漏らししたって?」

「あの……出来ればですね、もう少し、表現方法を変えて頂けると……」

あ、でも変えるって言っても、無理だよね……
と考え込む様は、いつもの真面目なみわ。

そんなに気にするコトっスかねえ、なんて思っていたオレとの温度差に、ちょっとだけ反省する。ちょっとだけ。

「みわ、なんかみわの話を聞いてると、益々自分のヘンタイ度の上がりっぷりに驚くんスけど」

全国のオトコの皆さんなら分かって頂けるハズだ。
抱いてる女が、気持ち良すぎておかしくなっちゃうなんて、いつもと違う自分になるなんて、嬉しい以外の何かあるんだろうか?

しかし、こんなに見るからに落ち込んでるみわにそう言っても、伝わりそうにない。

「オレがどんだけ嬉しいか、直接教えるけど、いいっスか?」

「直、接?」

誤解のないように、ちゃーんと伝えなくちゃね。



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