第80章 進展
「おーい、みわー、みわさーん、みわちゃーん」
みわは、拘束していた手を解放すると、すぐに顔を覆ってしまった。
無理矢理ひっぺがすのもどうかと思って様子見してるけど、まだ顔を出してくれる気にはならないらしい。
「みわー」
「……っ、怒るって、怒るって言った!」
「うんうん、ごめんってば」
「はっ、はんせい、反省してますか!?」
「してるっス。ハイ、反省してます」
酷い涙声だ。
駄々をこねる子どものような物言いにキュンとときめいてしまうのは、ホントもう救いようがない。
「じゃ、じゃあ、離して!」
「んー、まだ待って。イッたばっかのみわんナカ好きなんスわ」
うねうねって、キュウキュウってすんのがすげー好きで、抜きたくない。
「つかこのまま続きしちゃダメ?」
自分でも驚くほどの興奮状態なんスけど。
続行したい。
結構真面目にそう言ったのに、みわは手を顔から離して、濡れた瞳でオレを睨んだ。
「あれ……ダメ、っスか?」
なんか、ダメな要素あったっけ?
「こっ、このままじゃ、汚い、でしょう!」
凄い顔の赤さ。
心配になるほど、リンゴのように赤いけど大丈夫かな。
「汚くないってば。可愛いじゃないスか、みわのお漏らし」
「涼太、さん!」
みわは、真っ赤な顔を更に赤くした後に、ぷるぷる震えて今度は青ざめながらまた泣き出してしまった。
ぽろぽろと流れ落ちる涙。
下がった眉に、泣き濡れた目……
「あ、その顔可愛い。見てたらイケそう」
オレはさっきから、いっこも冗談を言ってないのに、何故かめっちゃくちゃ怒られた。