第80章 進展
「は……っあ」
激しすぎる動きに、身体を突き抜ける快感に、喘ぎも声になる前に吐息のまま出て行ってしまう。
マットの上から始まった繋がり……今はバスタブに上半身を預け、後ろから貫かれている。
「はぁ……っ、は」
体内に侵入してくる熱は、勢いと質量を増すばかり。
体位が変わると、必然的に挿入角度が変わって、違う所に当たったり、擦られたり……順応する間も無く、また新しい快感に襲われる。
頂点に達したのはもう数え切れない。
過去の嫌な記憶達と、行為自体は同じものな筈なのに、どうして涼太とするこれはこんなに気持ちが良いのだろう。
触れ合って溶け合う体温に安心し、時折苦しそうに耐える表情に愛しさを覚え、身体中を巡る快感に意識を揺蕩わせる。
「あ……ぁ、いく……ッ」
またお腹の奥から訪れた強い波に、一瞬全身が硬直し、一気に弛緩する。
さっきいったばっかりだから保つっスよ、と微笑んでいた通り、涼太はまだ終わりそうにない。
もう、立っていられない。
ガクガクと震える足をなんとか立て直そうと図っても無駄みたいだ。
口の中を弄っていた長い指の動きが、ピタリと止まる。
「みわ、ツラい?」
こくりこくりと必死に頷くと、ずるりと彼は出ていった。
解放された下半身は、主の意思とは裏腹に、ひくひくと彼を欲しがる。
力が入らずに座り込んだのも束の間、身体は再び宙に浮いた。
「りょ……っ」
「やっぱこっちにしよっか」
そのまま部屋に……な訳もなく、再び横たわったのはマットの上。
留守をしている間に少し冷えた表面が、火照った肌に気持ちいい。
「ごめんね……みわ、まだまだ終わんない」
「あぁ……っ」
衰える事のない欲は再び膣壁を擦りながら侵入してきた。
もう、どれだけこうしているだろう。
少し前からの下半身の違和感が、少しずつ大きくなって来るのを感じる。
それが尿意だと自覚するのに、長い時間はかからなかった。