第80章 進展
そこからは、会話もなく唇をただひたすら吸い合った。
時々ひくつく腰と、合わさった唇の間から漏れる濡れた息。
それと呼応するかのように、右手の中にある彼は段々と硬さを取り戻していく。
なんだかそれがすごく生々しくて、涼太がそこに居るのを何よりも実感出来て、たまらない。
「ん、っ、りょ、あ」
合間にその名を呼ぼうとしても、すぐに次のキスが始まってうまくいかない。
掻き乱すような抱擁、体液を交換し合いながら、何度も角度を変える口づけ。
余裕のない動きにどんどん煽られて、身体についた炎が大きくなっていく。
身体のラインに沿って撫でていた手が、陰部に触れる。
「……っ」
思わず息を呑むほどの快感に、身体を反らしてしまう。
ぬるりとした感触の後に、すぐに指が挿入された。
「……んっう!」
ビクンと身体が勝手に跳ねて、中は彼の指を勝手に締め付け始める。
でも、キスは緩むことがなくて。
やっと離れたと思ったら、涼太の長い指が中で動き始める。
「みわ……っ、欲しい」
「あっ、あっ」
「みわ」
こんなに激しく求められるなんて……なんで、なんて考えたりもしたけど、もう、そんな事どうでもよくなってしまいそう。
ぱすぱす、と背中を叩くと琥珀色の瞳が不思議そうに揺らめいた。
「涼太……あの、あの、まだ……」
「ん……どしたん、スか」
もう十分に硬くなっている気もするし、まだもう少し硬くなりそうな気もするんだけれど、そこは私には分からなくて。
でも、私の中に入りたいと言ってくれた声が、脳内を駆け巡る。
「まだ、だめ……かな。私も、欲しい……の」
私も、涼太に入って来て欲しい。
ちゃんと、声に出さなきゃ。
「みわは……いつそんなの、覚えたんスか」
困ったような微笑みを浮かべた涼太は、準備を整えると一気に入って来た。
「ッ、あぁ……っ」
「みわ、ごめん……壊しちゃいそうっスわ……」
壊されてもいい……壊されてしまいたい、そんな風に思うのは、涼太だから。