第80章 進展
みわの口内に残っていた精液が、フェラしてくれた後のキスで口に入った事がある。
なんていうか、どろっと粘ついてて、苦いっつーか、生臭い感じがして、とにかく不味かった。
無理。
アレはちょっと飲めない。
つーか飲みたくない。
もしみわからアレが出るとなったら……いや想像できねえっスわ。
「……、っ」
そう思ってたハズなのに、イク瞬間、反射的にみわの頭を抱え込むようにしてしまい、それに彼女も抵抗する事ないまま、口の中に出してしまった。
しかも、喉を鳴らしてる気配がする。
「こんなん飲んだら……ハラ、壊すって」
ダーメだって……そう思うのに、気持ち良さとなんとも言えない喜びで、胸ん中が埋まり始める。
征服欲が満たされてる、的な。
今、みわん中にはオレしかいない。
この瞬間が、言い表せないくらいに幸せだ。
求められるのは、当たり前だった。
特に女のコなんて、ちょっと笑顔を振り撒けばイチコロ。
性欲発散したくなった時に、相手に困った事はない。
一瞬だけ身体を重ねても、ココロまで重なる事はない。そんなキセキ、ありえない。
そんな時期もあったのに、今はそのキセキに出逢えた。
この子だけ、みわだけが居てくれればいい。
そんな相手に出逢えた事に、改めて感謝していた。
……それと同時に底から湧き上がってくる気持ち。
失うのが怖い
「みわ」
名前を呼ぶと、微笑みながら返ってくる返事。
当たり前のようで、当たり前じゃない。
どれだけ愛の言葉を伝えても、足りる気がしない。
唇を重ねる。
また不味いのが少しだけオレの舌にも纏わりつくけど、大して気にならない。
みわが、離れていってしまうのが怖い
みわと気持ちが繋がれば繋がるほど、その繋がりが固くなるほど、解けていってしまうのが怖くなる。
大切すぎて、大切すぎて。
壊れてしまうのが怖くなる。
大切なものが、譲れないものが出来るって、こんなにも重い事だったのか。
ああ、やっぱり途中で止めて貰えば良かった。みわと今すぐ繋がりたくて、仕方ない。