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【黒バス:R18】解れゆくこころ

第80章 進展


これ、初めてじゃないけど、物凄く恥ずかしい。
お互いの気持ち良い所を、口で、舌で愛撫する……って、言葉にしたらなんだか簡素だけれど、実際にはそんなに簡単なものじゃない。

だって、だって、口で、って。
とんでもない事をさせてませんか?

「んっう、……あ」

私の気持ちいいポイントを知り尽くされている涼太の愛撫に、堪らず口を離してしまう。

時折涼太も腰を震わせて、……感じてくれてるんだよね。

気持ちいい。

……でも。

でも……違う……の。
そうじゃ、なくて……。

「涼太……」

力が入らなくなる前に、身体を起こして涼太の横に座った。

「どしたんスか……ぷ、なんで正座?」

う、全裸で正座ってもうなんだか色々とおかしすぎる。

「あ、あの、そうじゃないと申しますか……」

「ん?」

「あのね、違うの」

「うん、何が違うんスか?」

まるで親が子どもに問うように。
優しく、ゆっくりと。
これも、皆と居る時には見せない顔。

「みわ?」

「あの」

いざとなると、なんて言ったらいいのか分からない事に気が付いた。

「どしたの?」

「う」

やっぱり、うまく言えそうにない。
行動で表現したら、だめだろうか?

「涼太……あの、引かない、でね」

不思議そうに微笑む涼太に近づいて……そっと、唇を重ねる。
恐る恐る舌を侵入させると、彼も受け入れてくれた。

緊張が先に立って、いつものキスとは違うのが明白。

一旦唇を離して、その滑らかな頬、鍛えられた首筋、くっきり浮き出た鎖骨、厚い胸板、小ぶりな乳首……順に、唇を滑らせていく。

時々、微かにピクリと反応してくれるのは、気持ちがいいから……なのかな。

こんな事をして、ドン引きされないかな。
へたっぴだけど、大丈夫かな。

抱き合って居る時とは異なるドキドキで、唇が震える。

じわじわと不安に支配されそうになっている頭を、大きくあったかい手が労わるように撫でてくれた。




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