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【黒バス:R18】解れゆくこころ

第80章 進展


待って、やる気の出た涼太に敵う気がしない。
いや、元々全く敵わないんだけれど!

軽く身の危険を感じて、何か取れる策はないものかと考え始めたけれど……遅かった。

肩に腕を回されて、覗き込むようにして視界に入って来たと思ったら、そっと柔らかな唇が重なる。

「……出る?」

ささめくその声が、憎らしいほどに色っぽくて。
何故か咄嗟に首を横に振ってしまった。

「出ないんスか? のぼせちゃうっスよ」

私がテンパっているのが分かるんだろう、涼太はニコニコ余裕の表情。

謎の対抗心がふつふつと湧き上がる。

「う、ん……逆上せちゃうだろうから、あの、ちょっと、座ろう」

涼太は、微笑みながらちょっとだけ首をかしげると、浴槽の縁に座ってくれた。

「いいんスけど……寒くないスか? 冷える前に出て、ベッドで……って、ちょ」

私の突然の行動に驚いたのか、涼太の身体に力が入る。

その筋肉質な足の間に身を滑り込ませて、ゆっくり身を屈ませ……固く、大きくなった屹立に、ふんわりと口付けた。

「みわ……っ、いいって、そんな」

涼太は、私が口でしようとするのを止める事が多い。
多分……私の過去やあの事件の事を考えて、遠慮してくれてるんだと思う。

でも……それとは、関係ないから。
私が、涼太の全部を愛したいだけだから。

痛くないように、唇を裏側の筋に沿って上がったり、下がったり。

「……っ」

嫌、とかじゃ、ない、よね……?
顔はその位置のまま、目線だけを涼太に送ると、彼は困ったように眉を顰めて、目を細めている。
い、嫌とかじゃ、ないよね……?

鳥さんが啄むように、あちこちに口で触れると、涼太の腰がピクリと揺れた。

「みわ、っ……マジで、さ」

「涼太……」

涼太、すきなの。
大好きなの。

この気持ちを、少しでもいいから行動に変換して、伝えたい。
一緒に居られる時間は短いから、濃密な時間を、過ごしたい。



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