第80章 進展
「涼太っ、は、なんでそんなにエッチなの!?」
全身を蠢く手に、もはや何をしているのか分からなくなってきた。
彼を非難するような言葉を吐いているくせに、身体は抵抗していない。
「ん~……? なんでっスかねえ……仕方ないんスよ、こーしたくてたまんないの」
からかうように触れる手が、気持ちいい。
お腹の下が熱くて、勝手に彼を欲しがってしまう。
「あれ、ぬるぬるしてきた。……これ、泡じゃないっスよね?」
「涼太はいつも……いじわる……」
涼太の言う通り、泡なんかじゃない。
彼を受け入れる態勢が万全だという事を白状してしまっているんだ。
「その反応が好きなんスよ」
涼太はいつもいじわるをする。
誰だろう、彼がドMとか言ったの。
とんでもないSだ。
涼太はにやりと笑うと、自分にも泡を塗りたくり、ふたりまとめてシャワーで洗い流した。
次に何が起こるのかも想像出来ないまま居ると、突然重なる唇。
「ん……っ」
このキスに、簡単に翻弄されてしまう。
足元にまで意識が届かない。
ぼんやりしていると、涼太は私の身体を支えながら、歩き始めた。
キスは継続されたまま、ゆっくりと視界が上を向いて……柔らかいものの上に横たわった。
「うん……?」
……マット?
「これ、オイルマッサージとかに使えるようにって……イチャイチャするのにピッタリっスね」
遠慮のなくなった手が、小さな膨らみを強く揉んだ。
「あ、んっ……」
突然の刺激に、腰が跳ねる。
指先で乳首を弄られると、お腹の奥がきゅうきゅうするのは何故だろう。
「もう、こんなに硬くして……期待されると、やる気出るっスわ」
その妖艶な目つきに、うっかり息を止めてしまっていた。
期待……そう、反論しようもないくらいに期待、している。