• テキストサイズ

【黒バス:R18】解れゆくこころ

第80章 進展


「ごめん……ね」

「ブブーッ、だから謝るのはナシだって」

「う」

そうだ。
謝るのは、涼太のためなんかじゃない。
自分が満足したいだけなんだから。

「はーっ、サッパリした。さんきゅね」

トリートメントまで流し終えると、涼太の髪は更に艶めきを増した気がする。

大きな手で前髪をかきあげると、普段の彼とは全く違うイメージ。
大人の男、って感じだ。
飛び散る水滴まで、彼を輝かせるスポットライトのようで。

「じゃ、身体洗おっか」

にっこりと笑いながら、ボディソープのポンプを軽快に押す姿は、小悪魔のよう。

「あの……自分でやるから、大丈夫」

「なぁんで」

大きな手のひらに少しの水を加えて、器用に泡立てていく。
私、素手じゃあんなに上手に泡立てられない。
コツを今度、教えて貰おう。

じゃ、なくて!

「本当に、自分でやるから大丈夫だってば」

「もー、頑なっスね、なんでっスか!」

……なんで、って……

「だって……涼太、絶対エッチなことするから……」

数々の恥ずかしいシーンが頭に浮かび、悶絶寸前。
勇気を出して言ったけれど……涼太は、手で口を覆ってしまった。

「ううっ……」

「え、え、どうしたの!?」

漏れ出るのは嗚咽。
何か、まずい事を言ってしまった?

「うう……まさかみわがそんな風にエロい想像してくれるなんて……彼氏ミョーリに尽きるっスわ」

「……エッ!? そっ、そういうんじゃないよ!」

「でもだって、オレがエロいコトするって想像したんでしょ?」

「想像っていうか、そういうんじゃなくて、過去の傾向と対策って言うか」

「なんか試験みたいなコト言わないでくんないっスかー。折角のみわとの時間なのに、台無しにしないでくんないっスかー」

「あう、ご、ごめんなさい」

いつの間にか完全に涼太のペースになっている事に全く気が付かなかった。

「じゃあ、責任取って貰うっスわ」

いつも彼の方が何倍も上手だった。


/ 2455ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp