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【黒バス:R18】解れゆくこころ

第80章 進展


「カッコ良くない展開……?」

「あー、うん、まあ……っくしょん!」

涼太は盛大にくしゃみをした。
冬場ではないから凍えるような寒さではないけれど、全裸でこんな所に居たら身体が冷えるのは当然だ。
立ち話をしてる場合じゃない、早くお風呂に入って貰わないと!

「涼太、風邪引いちゃうよ」

「ん、そうっスね。風呂入ろっか」

「うん、ゆっくりあったまってね」

「そっスね」

……うん。
……うん?

涼太は満足げに私の腰に腕を回して、浴室へと足を踏み入れドアを閉めた。

「涼太……お風呂、入っていいよ?」

「うん」

「……もしかして、これ、一緒に入ろうとしてる?」

「それ以外に何があるんスか」

ニコニコと微笑んだままの涼太は、サラッとそう言って、椅子に私を座らせた。

「えっ、あの、あ」

「この間言ってたじゃないスか、お風呂でゆっくりしよって」

「この間? ゆっくりしよう……?」

記憶にない。
いつ話したんだろう……また、いい加減な事を言ってしまったのかな。

「みわ……覚えてないとか、傷つくっスわ……」

「ごっ、ごめんなさい!」

「いいんスよ、そこでウソとかつかないみわがスキ」

「すっ!」

また、いつもの涼太のペースだ。
どうしてこのひとは、こういう事をポロポロと言うんだろう。
頬が緩む。私、これ以上ないくらい単純だ。

ああ、でもなんでだろう、お風呂って物凄く恥ずかしい。
さっきだって明るい部屋でしていたのに、今はそんな事もしていないのに、なんだか無性に恥ずかしくて、土の中に埋まりたくなってしまう。

「ほらほら、あわあわ~」

「わあっ、わっ」

涼太は手際良くシャンプーを泡立てて、私の髪はあっという間にもこもこになっていった。


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