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【黒バス:R18】解れゆくこころ

第80章 進展


「あとね、これ」

「ふぁっ!?」

涼太の手から渡されたまさかの追加のプレゼントに、変な声が出た。
今度は、可愛らしい袋のラッピング。
30センチもない、縦長の袋。

「涼太! 今プレゼントを頂いたばかりですけれども!」

「うん、だからこれもプレゼント」

「待って、これからプレゼントは1お祝いにつき1つにして貰ってもいいですか!?」

もう、本当に貰い過ぎ!!
1つだけにしてもらうように、約束しなきゃ!

「いいんスよ、そんなキレイなモンじゃないんス」

「え?」

突然涼太が見せた表情は、さっきまでのものとは全く違っていて……うまく表現が出来ないけれど、どこか自嘲めいてるというか。

「色々さ、オレの企みが詰まったプレゼントだから。いいんスよ」

「……?」

企み?
プレゼントに?
涼太の言っている意味が全く分からなくて。

いくら考えても分かりそうにないから、とにかく開けてみよう。

「えっと……開けて、いい?」

「大したモンじゃないっスよ」

ドキドキしながら袋から取り出した……これは、ペンケースだ。
私が大好きな、海常ブルーとホワイトのストライプ。

「わ、ペンケース……すっごく綺麗な色」

柔らかい素材のそれは、非常にシンプルなつくり。
滑りの良いファスナーを開けると、新品って感じの香りがした。

……これに、何の企みが込められていると言うんだろう?

「嬉しい……ありがとう。大切に使うね」

「みわのペンケース、穴開いてるからずっと気になってたんスよね」

「うっ」

高校生の頃に買った雑貨屋さんのペンポーチ、薄い布製のものだったから、ペン先等に刺激されて横の部分が裂けてしまっていたの。

まだ使えるし、買い替えるのも勿体無いからと安全ピンで留めていたんだけれど……気付かれていたなんて。

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