• テキストサイズ

【黒バス:R18】解れゆくこころ

第80章 進展


みわがまるで深呼吸のように深い息をしたのに気が付いて、意識がこっちに戻ってきた。

「……りょうた、無理、しないで」

眉が下がったこの顔は、心配されてる証拠。
こんな真っ最中に、余計なコト考えてどーする。

「ごめん、違うんスよ。もう大丈夫。ごめんね」

「ほんと……? あっ……ン」

「可愛い、みわ……」

深く埋め込むごとに甘くなる声、段々とトロけていく表情……耐えがたいほどの快感を受け止めてくれるこの小さな存在が、愛しすぎて。

集中しなきゃ、そう思うのに、あのヒトが言ってた言葉が脳裏をチラつく。





「……一番の、方法?」

「あはは、ごめんごめんそんな深刻にならないで! あまりに真剣そうな顔してたから」

「そう……っスよね、そんな方法、あるわけないっスね」

「妊娠だよ」

「……にん、しん?」

「そ。妊娠するとね、身体はもう他の男の精子は受け付けないの。もう、その男の子どもを産むためだけに身体は変わっていくんだよ。
それってすっごい独占、じゃない?」

「……」

「おーい、黄瀬君?」

「あ、すんません……すげー、斬新だったから驚いて」

「あはは斬新ね、確かに! でもね、愛してる人の子どもを産めるのは、幸せな事だよ」






「っ、は……涼太、本当に……ぐあい、わるくない?」

「……だーいじょうぶ、だって」

考えたこともない、って言ったらウソになる。

この、お腹の中に。

すべすべのお腹を撫でるように触れると、みわは不思議そうな顔をしながらも、快感に腰をくねらせた。

……ダメだダメだ、何考えてんだ。

ちゃんと、分かってる。
大丈夫、ちゃんと理性が勝ってる。

みわの未来を邪魔するような事だけはしちゃいけないと。
真っ暗な中で唯一彼女が見つけた光を、遮るような事だけはしちゃいけないと。

ちゃんと、分かってる。




/ 2455ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp