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【黒バス:R18】解れゆくこころ

第27章 海常祭


学園祭・海常祭当日。

9月とはいえまだまだ夏の暑さが残っており、汗で濡れた肌に制服のシャツが張り付くのが不快で仕方ない。

強い陽射しの中、みわっちと一緒に朝から校門付近でビラ配りをする。

男性が苦手なみわっちだから心配していたが、1対1で向き合ってゆっくり話すわけではないし、頑張れると言っていた。

しかし無理をするタイプなのは重々承知している。
必ず彼女が視界に入る位置にいることにする。

ビラ配りはなかなかに面倒臭い。

客は足を止めて、オレと一緒に写真を撮らせて欲しいだの、学園祭に関係のない話を振られてばかりで、早く終わらねーかな、とイライラした。

それでも、昼前には全て配り終わった。

終わった時点で自由にしていいとの話だったので、みわっちと一緒に校内を回り始めることにする。

しかし、どこに行っても写真だ握手だサインだと、人が集まるのが絶えない。

みわっちは、その度にそっとオレの側を離れ、オレが対応しているのを見守ってくれていた。

……オレはみわっちとゆっくり話しながら回りたいのに。

「ごめんねみわっち、こんなんばっかりで」

「大丈夫だよ。大変だね」

みわっちは、わざとオレと距離を取って歩いている。

オレは距離を詰め、みわっちの手を取った。

「えっ……手、繋がない方がいいんじゃ……」

「言ったでしょ。オレ別にみわっちと付き合ってるの、隠すつもりないっスから」

少し照れた様子で俯くみわっちと、彼女の歩幅に合わせて歩く時間。
それだけで楽しかった。

「おーい黄瀬、神崎! 食ってけよ!」

森山センパイだ。
ユニ姿とは全く異なるエプロン姿が面白い。

センパイ達は3人とも同じクラスだったはず。
笠松センパイのエプロン姿を想像しておかしくなる。

センパイのクラスの模擬店は、たこ焼き・お好み焼き・焼きそばを作っているらしい。

「みわっち、食べて行こ!」

「うん!」


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