第80章 進展
「は……っ、あぁ、あん」
固く勃ち上がった先端に吸い付かれるたびに、膣内に埋め込まれた指を勝手に締め付けてしまう。
それによって彼の存在を確認して、高揚していく気持ちと身体が抑えられない。
「……すげーきゅうきゅう締め付けて……気持ちイイんスね」
「んっ、う、ん……っ」
気持ち、いい。
紙ペラのような理性が、空調の風でひゅるりと飛んで行ってしまいそうだ。
涼太はまだジャケットを脱いだだけの状態なのに、かたや私はほぼ全裸。
下着はまだ一応肌の上に乗ってるけれど……隠す役は全くこなせてない。
こんな明るい所で大股を広げてよがってるみっともない私を……涼太は受け入れてくれてる。
好き。
好き。
大好き。
肌が触れ合うだけで、再認識する。
「涼太……ぁ、だいすき。涼太が触ってくれるの、ぜんぶ、うれしくて……すっごく、すっごく、きもちいい……」
アルコールも手伝ってか、頭がぼんやりしたまま、こころの真ん中にある言葉をうわ言のようにひたすら絞り出した。
また、ゆっくりと唇が重なる。
間近に迫った瞳は、朧げな意識でもはっきり分かるくらいに潤んでる。
同時に再開された指の動きに、ひたすら乱れ狂うしか出来ない。
「あ……っ、は、あぁ……っ」
自分の内部を巧みに弄られて、ぞくぞくと肌表面が逆立っていく感覚。
同時に、子宮の奥からゆっくりと押し寄せてくる波。
「あ、ん……このまま、いっちゃ、いそう」
「ん……まだまだ、触ってたいんスけど」
何かを掴んでいないと、自分自身がどこかに行ってしまいそうで、無意識に彼の髪に指を通した。
見た目はすごく自然な黒髪なのに、触れるとやっぱり、なんとなく違う。
本当の涼太がどこかに行ってしまいそうで、そんな訳ないのに、小さな不安が湧き出てくる。
「涼太……どこにも、いかないで、涼太」
どこにも行かないっスよ、優しいその声が聞こえたのと同時に、身体は絶頂を迎えた。