第80章 進展
「う……んん、ぅ」
手の動きを阻止しようとして太腿に力を入れても、結果的に涼太の手を挟んだだけで、それ以上の抑止力にはなってくれない。
酔ってるのに、なんでこんな的確に気持ちいい所を刺激してくるんだろう。
酔ってるの? 酔ってないの?
「みわのいいトコ、みーっけ」
「んぁっ」
音符マークがあちこちを飛び回っているかのような楽しそうな声。
前言撤回、やっぱり酔ってる!!
「気持ちい? ってコトは、そんな風に言いつつも、ちゃーんと興奮してんスね」
「んっ、あぁ、ん」
興奮……しないわけ、ないよ。
だって、大好きなひとが目の前にいるんだもん。
大好きなひとが、触れてくれてるんだもん。
「あぁ、涼太ぁ……っ」
「ホントにそんな……気持ちいいんスか?」
「ん、あ、嘘なんか、つかない……っ」
奥と手前とを執拗に攻められて、口から出て行くのが殆ど吐息のみになっていく。
「あ……っ……は……涼太、わたし、も」
「んー? オレは、いいって」
「や、だめ、だよ」
「いーの、やっぱ飲みすぎたみたいで、まだすぐには勃たねえから……」
「え……?」
そうなの……?
男のひとの身体って、よく分からない。
「あとで思いっ切り舐めて貰うから。ほら、今はオレの指だけ感じて」
「はぁ……ン……あ、あ……」
「いー声」
「や、はずかし、い」
「……まだちょっと聞きたいっスわ」
「……っ、え?」
ぺろり、と舌なめずりした涼太は、指の動きを止めた。
私の腕を解放した手は、ずれたブラジャーをぺろりとめくる。
「腫れてるみたいに勃ってる」
指でつまんで弄られてそのまま口に含まれると、下半身を刺激されるのとはまた違う衝撃。
なんていうんだろう、子宮の辺りがきゅうっとする、みたい。
もう手は自由になって、抵抗しようと思えば出来る筈なのに……ただただ濃厚になっていく愛撫を受け入れるしか出来なくなっていた。