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【黒バス:R18】解れゆくこころ

第80章 進展


「みわ、まだ食べれるっスか? メニューもらおうか」

「うーん、もう結構お腹いっぱい、かな」

小さなお肉を少しずつ、だけれど……なんだかんだと、もう結構な量を食べた気がする。
お酒の力もあってか、満腹感を感じ始めていた。

出てくる料理、どれもこれもとっても美味しくて。
今度、バイト代が入ったらおばあちゃんを誘って来てみようかな。
……ひとりで払える、かな……?

「涼太、まだ足りなかったら頼んでいいよ」

「ううん、オレももういいっスわ」

涼太はまだお腹いっぱいじゃないと思ったけれど、もう満腹みたいだ。
やっぱり、お酒飲み過ぎたんじゃ……。

涼太が視線を泳がせると、近くに居た店員さんが察知してこちらに来てくれた。

「デザートになさいますか?」

「はい、お願いします」

贅沢! デザートまであるなんて。
もう、これ以上ないくらいのお料理を頂いたんだけれど……。

アイスとか、プリンとか?
デザートって響きでウキウキしてしまうんだから、単純だ。

「こちらにどうぞ」

何故か席を立つように促されて、私たちはお料理を頂いていたテーブルを離れる。

入ってきた時には見渡す余裕がなかったけれど、この室内にテーブルは5つほどしかなかった。
そのどれも満席で、でもテーブル同士の間がかなり開いているから、他のひとの会話も耳に入って来ないし、存在すら忘れてしまうほどだった。

……もしかして、もしかしなくてもかなりの高級店なのではないだろうか?

どこに行くんだろう?
店員さんに連れられた私たちは先程までの部屋を出て、装飾が豪華な短い廊下を歩いた。
ロココ調、っていうんだっけ……まるで宮廷の廊下のよう。

案内された部屋は食事をしていた部屋よりもずっと小さな個室だったんだけれど……

「……わ、あ」

目下に広がるのは、人工的な星々。
まるでクリスタル彫刻のようにも見える、高層ビル群。
無数の点滅する車のテールランプの光で、ぼんやり淡く、川のようにビル群から浮かび上がる道路。

……東京の夜景だ。


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