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【黒バス:R18】解れゆくこころ

第26章 オンナノコ


「みわちゃん、平気? 顔色が良くないけど……」

いけない。
無用の心配をかけてはいけない。

「ううん、全然問題なしだよ! 今日は本当にありがとう! 私、帰るね!」

わざと明るい声を出して、この場を去ろうとする。
大丈夫、不自然じゃないはず。

「オイ神崎、送ってこーか」

青峰さんが、一歩踏み出してそう言った。

ぶっきらぼうな言い方だけど、この人は本当に優しい人なんだというのが、これだけでも伝わってくる。

「いえ、大丈夫です、本当に。……お気遣いありがとうございます」

私は足早にその場を去ろうと、駅へ向かった。




「大ちゃん……みわちゃん、大丈夫かなあ」

2人はみわが走り去った駅を遠巻きに見ていた。

その姿は人混みに紛れ、すぐに見えなくなった。

「ま、大丈夫なんじゃねーの」

「だってみわちゃん、データだと男性恐怖症みたいで。まだ克服できてないと思うんだけどな……」

「ハァ!? マジかよ、先に言えよ。本当に帰れんのかよアイツ」

「分かんないよ……」

「大体、男が怖いって、アイツ黄瀬と付き合ってんじゃねーのかよ」

「きーちゃんとは上手くいってるみたいだったけど……」

「チッ、んだよそれ、わけわかんねーな……あーもしもし黄瀬か? ああ、俺だけど」

「……大ちゃん?」

「さつきと神崎が変なのに絡まれてて……あ? いや俺が来たからそれは問題ねー。
送るっつってんのに、1人で帰るっつって帰って行ったわ。……ああ、そんじゃ」

「大ちゃん……」

「ま、これで後はあいつがどうにかすんだろ。珍しくすげえ焦った声だったけどな」

「……そっか、やっぱり……大ちゃん、ありがと」

「……オイ、くっつくなって」



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